建物がその場所で「どう」存在しているのか。
形、自然環境、文化、歴史、あらゆる秩序の中で「どう」あるかを分析・認識することを、
建築家はコンテクスト［文脈］を読むという。
私もソウルをはじめとする世界のさまざまな都市でコンテクストを読んできた。
都市で視点が変わる速度は、通常、人が歩く速度と同じである。
しかし、移住して初めて経験した北海道の冬、視点が変わる速度は車の速度だった。
空も山も消えた真っ白な景色、車のスピードと一緒に背景は流れていく。
建物はスピードの中でしか存在できず、光と影の量、角度、色の温度、
明暗、その場所を捉えるために必要なすべてが定量化できない。
そんなディテイルが消えた世界で、私の目を捉えるオブジェクトたち。 
オブジェクトは感覚が定量化されない世界と私自身の実存を認識させる唯一の媒体となる。
北国のコンテクストは、定量化可能な世界から独立して存在している。
東川町文化ギャラリーでは、東川町内在住の写真家
ハン・キョンホ氏による写真展を開催します。
北海道の冬の中に存在する風景や建物を独自の視点で捉えた、
あたたかく、やわらかな質感が表現された作品たちを
約2mの韓紙にプリントし、展示いたします。
美しく不思議な白の世界をご堪能ください。

【開催概要】
ハン・キョンホ写真展「NORTH CONTEXT」
会　期：2023年1月14日（土）〜29日（日）　会期中無休
時　間：10：00〜17：00
会　場：東川町文化ギャラリー　第一・第二展示室
入館料：100円

【アーティストトーク】
ハン・キョンホさんによるトークを開催します。
日　時：2023年1月14日（土）・21日（土）  14：00〜15：00
参加費：100円（中学生以下無料、入館料を含みます）

【プロフィール】
HAN KYOUNGHO    韓 卿浩
アーティスト・建築家・工学博士（建築学）
韓国・ソウル生まれ
TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2021 ホンマタカシ賞 受賞
現在、北海道東川町を拠点に活動中

〈同時開催〉
第30回林忠彦賞受賞記念写真展
初沢亜利「東京 二〇二〇、二〇二一。」