銅賞
和光高等学校
渡邉 翔梧さん(2年生)
渡邉 翔梧さん(2年生)
タイトル
Stay home, stay alone
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作品メッセージ
お婆ちゃん(妻)が亡くなり1人で暮らすお爺ちゃんの元へ行き撮影した。緊急事態宣言が続き自粛期間が長く続き人ともなかなか会う事ができない中、一緒に暮らす家族だけが唯一の話せる人間。しかしお爺ちゃんはそういう人すらいない。一人で暮らし何を考え、何を感じていたのか。それを障子の中から撮影することによって一人の、home aloneの世界を表現した。
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講評
今回の受賞作品の中で最も話題になった作品だったと思います。3枚目のインパクトが際立ちますが、単純にそのビジュアル的なインパクトに頼らない作品だと感じます。長年、共に生活したパートナーがいなくなった虚無感を、目に見えないおばあちゃんの生きた痕跡のようなものを2人が過ごした家の中に丁寧に探しながら、的確なカメラアイで表現していると感じました。これまでの写真甲子園では見ない渡邉さんの独創性も存分に感じます。2枚目のやや広めな部屋に1人、横になるおじいさんに、いろいろな思いを巡らせました。(村上)
奥様を亡くしひとり暮らすお祖父さんの孤独なstay home。障子をキーとしていますが、シミだらけで破れた具合が男やもめのさみしさを物語っています。ですが、ただ老人の孤独を写しているわけでなく、ユーモアを加え救いがあるのがよかった。肌着とブリーフに腕時計という滑稽な姿ですが、自宅では人に言えないような習慣が、誰にでもあるもの。共感部分があるため、この作品は可笑しいだけでなく人の心にひっかかる作品に仕上がっているのだと思います。お祖父ちゃんの視点と孫の視点の響き合いが微笑ましい。(鶴巻)