SYAKOUSOLO2020
金賞
和歌山県立神島高等学校
吉田 菜々美さん(1年生)
タイトル 送り火
  • 作品メッセージ
    これはお盆の時の写真です。コロナ中でのお盆ということで、マスクをして人と間隔を開けたり、お供え物などの焼く時間を短くしたりと色んな工夫をしていました。人が少なく、送り出す時間はその家族で違っていたり、お寺に任せているという人が多かったので、撮るのがすごく難しかったです。この写真は今年しか撮れない、貴重なものだと思いました。来年のお盆は家族全員で送り出せるようにと思い、この写真を撮りました。
  • 講評
    家族の繋がりを美しく描いています。そっと優しい視線から、先祖への思いや感謝、人の命の儚さと命の繋がりを感じ取っているのが伝わってきました。マスクをつけた姿は、コロナ禍の「今」を写し出していて、時代を伝える写真の大事な役割も果たしています。辛い現実を写すことで、来年は今とは今年とは違ういい光景を写したいという希望に繋げています。Home(家族、家庭、家)への思いを強く感じ、光の捉え方や空間の作り方、アングル、3枚の写真の組み方の妙など技術から見ても素晴らしく、迷うことなく金賞に値する作品だと思います。(鶴巻)

    古くから大切にされる送り火の文化。それが特別なことではなく、日常の一部としてしっかりと根付いていることが三枚の写真から強く伝わってきます。どの写真も欠かすことができず、またそれぞれの写真が相互に作用し、映っている事柄からさらに深い世界を想像させてくれます。特に子供達の後ろ姿は送り火に向かう姿であるだけではなく、先祖から子孫へ、魂の炎がつながっていくことが象徴されているようです。そしてテーマでもあるhomeに魂が帰ってゆく。撮影者がこの文化を深く理解し、自らの思いを込めてシャッターを切っていることが感じられます。(公文)
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