朝起きると部屋がもう暖まっていた。不思議に思っていると、「ママ、おはよう」という声。長女がココアを飲んでいた。なんでこんなに早起きしてるんだろう？　そう思ってテーブルを見ると人数分のココアが置いてある。ありがとうと言ったら、無言でまた飲み始めた。曇ってるけど、照れてる顔みえてるよ。

三枚ともココアにまつわる絵で組んだ作品。単調になってしまうところですが、うまく工夫されています。暗いストーブとやかん。並んだマグカップ。曇る眼鏡。面白いです。どの写真も質感がよく表現されていますね。また順を追って撮影するとどうしても説明的になり、動きが止まり、嘘っぽくなってしまいます。この作品は、流れの中で自然に写したのでしょうか。ディテールが正確に写っています。ストーブの明かりが壁に写っていたり、ココアの表面がバラバラに泡立っていたり、思わず温もりを得るためにマグカップを手で掴んでしまったり。こういうディテールが説得力につながっています。（公文）