桐原紘太郎さん(群馬県出身)
まどかさん(青森県出身)
長女 さくらちゃん (小学生)
次女 すみれちゃん (小学生)
三女 かすみちゃん(幼児)
移住して5年
人も水も空気も教育も…
東川はすべてが豊か

「自分たちで食べる野菜を作ったり加工したりしてゆっくり過ごそう」。移住後の生活をそう思い描いていましたが、実際には始めた事業が次の仕事を呼び、それがまた次へと続く目まぐるしい毎日に。町の活気が自分たちの事業を後押ししてくれていると言います。


東川での暮らしをひと言で言うと「豊か」。そうまどかさんは言います。「住んでいる人も、自然環境も、水や空気も。食材も豊富だし教育環境も全部豊かなんです」。桐原さん夫婦は元々東京で暮らしていましたが、長女を妊娠中に東日本大震災を経験。「東京で子育てをする」ということがイメージできなくなったと言います。その後福岡県に移住し2年ほど過ごしましたが、次女の出産時にまどかさんが喘息を再発したことから「水と空気」のきれいな場所を探す旅へ。世界を1年ほどめぐったあと日本に戻り北海道をキャンピングカーでまわっている時に教えてもらったのが「上水道がない町」、東川町でした。

活気ある町だから。
仕事が仕事を呼ぶ好循環に

子どもたちの教育環境も気になり、移住する前に幼児センターと小学校を訪れました。「教室はオープンだし、グローバル教育もしていると聞いて小さな町なのにすごいなと思いました。実際外国人が身近な存在で、子どもも臆することなく話しかけたり言葉を教えてもらったり。いい環境だなと思っています」。
移住後は40年以上空き家になっていた建物を自分たちでリノベーションし、たい焼きとスムージーのお店「liko organic cafe」を開業。その後、道の駅近くにハンバーガーや自家製ジェラートを販売するお店「liko to go.」も出店しました。そのほか菓子製造やイベント企画、オーガニック野菜の栽培、と精力的に展開。そんな2人の元には町に移住したいという相談も寄せられるようになり、それならばきちんとビジネスとしてサポートしようと、不動産業もスタート…。紘太郎さんの広告デザインの仕事に加え、移住してからは夫婦でこれだけ生活の「柱」を増やしてきました。「本当はのんびりするはずだったんですけどね」と紘太郎さんは笑います。真逆の暮らしになってしまいましたが、そのわけをまどかさんは「町に活気があるから」と言います。「最初のお店はあまり便利な場所ではなかったのですが、多くのお客様に来ていただいて。お菓子も作ったらすぐに売れてしまう。それは町を訪れる人が多いからで、やっぱり東川ってすごいなと思いました」。今後は、増やしてきた「柱」を太くしていくことを考えているそう。のんびりできるのはもう少し先になりそうです。