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西澤丞「超現実世界」
写真を撮る時にいつも感じていた。自分が見ている世界は、何かの表面でしかないんじゃないかといった、漠然とした不安。そして、ある時、気がついた。普段見ている世界とは決して交わらない、もうひとつの世界があることに。私が見つけた被写体は、「立入禁止」と書かれた扉の向こう側にあった。インフラや科学、工業、エネルギーなど、暮らしを支え未来を作るための重要な仕事や産業だ。そこには、面白い被写体があると同時に、解決すべき問題があった。このことに気がついた時から、私の写真家としての歩みがスタートした。それから約20年。これまでの試行錯誤を、ひとまず写真展という形でまとめてみることにした。写真を情報として見るだけなら端末でも十分だ。ただ、大きな写真の前に身を置くことは、「体験」だ。ぜひ、北海道の地で写真の力を感じていただきたいと思う。
【西澤丞氏 プロフィール】
「見えない仕事を、可視化する。」というコンセプトを掲げ、科学や工業、インフラなど、一般の人が立ち入ることのできない場所での撮影を行っている。写真は、Aperture Gallery(ニューヨーク)、バルセロナ現代美術館、東京都現代美術館などで展示されるとともに、TIME誌をはじめとする多数の雑誌でも取り上げられている。著書は、「DEMIURGOS」「福島第一 廃炉の記録」「MEGA-SHIP」「鋼鉄地帯」など。第8回笹本恒子写真賞(2025年)受賞。愛知教育大学美術科卒。愛知県出身、群馬県在住。
【トークイベント】
会期中、西澤丞氏による各種トークイベントを開催します。
11月8日(土)10:30~12:00 アーティストトーク
11月16日(日)10:30~11:30 ギャラリーツアー①
14:00~15:00 ギャラリーツアー②
予約不要。いずれも参加費無料、観覧料のみでお楽しみいただけます。
【展示概要】
会 期:2025年11月7日(金)~20日(木)
10時~17時
展示室:第1~4展示室
休館日:会期中無休
観覧料:100円(中学生以下無料)
主 催:写真文化首都 北海道「写真の町」東川町
助 成:2025年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業