町に住む
INTERVIEW 美しく生きる人たち
芝浩晃さん(東京都出身)
園さん(神奈川県出身)
瑠夏さん(小学生)
移住して1年
園さん(神奈川県出身)
瑠夏さん(小学生)
移住して1年
早く自分たちも
「迎え入れる側」になりたいです
いつでも相談できる雰囲気のある役場、お店のために人をつないでくれたスタッフ、趣味に誘ってくれた地域の人。移住・開業から1年で予想以上に町に溶け込めたきっかけをくれた人たちの恩に報いるためにも、自分たちが早く移住者を迎え入れる側になりたいと話します。
携わってきた「食」で
地域の人を助けられればと開業
高校の教員として、またパン職人として神奈川県で充実した生活を送っていた芝さんご夫婦。実は妻の園さんは20年ほど前に仕事で東川町に通っていた時期がありました。「東川の水でつくるとパンが全然違ったんです」とパンづくりのおもしろみも感じる一方で、広大な自然を目にして、将来の子育てにもいい環境だと感じたそう。その後、園さんのお姉さんが東川町で暮らしはじめ、一家で通ううちに移住が現実のものになっていきました。移住に際して園さんが考えたのは総菜がメインのお店の開業です。「東川の人がわくわく楽しめるようなお店にしたかったんです。食べ物で働く人のお手伝いができればと考えました」。「素材の魅力そのまま」と食べ物を意味する「まんま」、そして園さんのお名前をかけた「SONOまんま」を開業。量り売りの総菜とお弁当、そしてパンを目当てにお客様が次々と訪れる人気店になっています。
自身の経歴を生かして
娘との時間も確保
朝食を準備し、娘さんを学校に送り出すのは夫、浩晃さんの担当です。「これまで野球の指導しかしてこなかった」と笑う夫の浩晃さんは、現在、旭川市の高校で非常勤の教員として働く一方、お店の買い出しなども担当。経験を買われ、町内にある中学校野球部の外部指導員としても活動しています。園さん曰く、東川での暮らしを一番楽しんでいるのは浩晃さん。夏は朝5時プレーボールの「朝野球」で汗をかき、冬はマイナス25度の世界にワクワク。「冬用のワイパー」というこれまで知らなかった「文化」に驚き、自宅のストーブ用にいつか自分で薪割りをしたいと計画中。周囲の環境がすべて自分の生活の一部である、という暮らしがとても刺激的だと話します。何よりも一番の変化は娘さんとの時間が大幅に増えたことです。「移住前の暮らしを続けていたら娘が20歳になるくらいまでほとんど会話はなかったと思います」。移住を反対する声もなくはなかったそうですが「何のために働くのか」を考えた時に答えは出たと言います。
1年で予想以上になじめたのは
町の人たちのおかげ
移住に際して担当になった役場の人とは「気軽に電話できる友達のような関係だった」と園さん。お店で働くスタッフは園さんのお姉さんのつながりからお願いし、そのスタッフのつてで農家さんを紹介してもらい…「夫婦だけで移住していたら1年でこんなにできていないと思います」。浩晃さんは「町自体の懐が大きいんです。受け入れ態勢ができているんです」。そうやって受け入れてもらった分、自分たちもはやく受け入れる側になりたい。そう話す芝さん夫婦。移住者を快く迎え入れる町の輪がひと回り大きくなりました。
娘との時間も確保
町の人たちのおかげ