町に住む

INTERVIEW 美しく生きる人たち

佐川晴紀さん(神奈川県出身)
愛乃さん(愛媛県出身)
こはるさん(小学生)
結唯さん(幼児)
移住して3年

東川町の「いい物を出すお店」の
ひとつでいられたらいいですね

「ここに住むの、いいかも」。そんな直観を信じ調べはじめると、そこは水がきれいで魅力的な小学校がある町でした。いい物を自分で作りたいからお店を営む。そんな同業者の姿にも刺激を受け、自分たちらしい暮らしを大事にしつつ、人の記憶に残る洋菓子作りに励んでいます。

「暮らす」目線で見ると
違って見えた東川町

合計18年間のパティシエの経験を生かし2021年に洋菓子店「ハルクル」を開業した佐川晴紀さん。家族4人での移住、そして開業を決めたきっかけは町の「雰囲気」だと言います。勤めていた会社の新店舗立ち上げのため、東京から美瑛に移り住み、東京に戻るかこのまま北海道で暮らすかを迷っていた時のことでした。それまでも東川には何度か遊びに来ていましたが、「暮らす場所」として見てみると車で東川町に入った瞬間、ガラッと雰囲気が変わったのを感じたそう。「ここに住むの、いいかも」というフィーリングから改めて町について調べはじめ、全戸が地下水で暮らしていることなどを知りました。特に晴紀さんにとって大きかったのは2014年に新校舎となった東川小学校の存在でした。「校舎は平屋で教室には壁もなく、本州にもあまりない感じ。ある意味最先端で、子どもたちが経験することを考えたらこの学校に通わせたい、と思いました」。

豊かな自然が与えてくれる
子どもと向き合う時間

東川町に移り住んでから約3年。晴紀さんの独立に伴い妻の愛乃さんも勤めを辞めお店を手伝うことになり、家族で過ごす時間が増えました。キトウシの森でお花見をしたりスキーをしたりせんとぴゅあで絵本を読んだり…。関東から関西、四国までさまざまな場所で暮らした経験のある愛乃さんにとってはどこも「住めば都」。その中でも、東川町は子育てするのにいい場所だと感じています。「子どもと向き合う時間を取るという意味でも、豊かな自然の中で暮らすという選択肢を選んでよかった、と思っています。保育園で知り合うお母さんたちは移住者が多く、輪が広がりました。それも楽しみのひとつです」。

自分でお店を持つ意味を考えつつ
今は家族の時間を一番に

町内の飲食店に関して「純粋においしいものを自分で作りたいからお店を出している、という人が多いように感じています」と晴紀さん。自分もその一員でいたいと話します。それぞれのお店にそれぞれのスタイルがあるように、ハルクルでは日曜日が定休日です。「普通ケーキ屋さんは、日曜日は休まないんです。でも今は子どもたちとの時間をちゃんと取りたいので」。子どもが小さいうちは家族の時間が優先。でも、表現したいお菓子もまだまだたくさんあります。「大人にも子どもにも『あの店のケーキおいしかった』、と気持ちに何か残せるお店にしたいんです。自分でお店をやる意味はそういうところにあるのかなと思っています」。今後はパティシエの数を増やし、みんながプライベートも充実させつつの繁盛店にしていきたいと語ります。

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