町に住む

INTERVIEW 美しく生きる人たち

杉野公亮(まさあき)さん(北海道札幌市出身)
理奈さん(北海道湧別町出身)
移住して2年

町が文化芸術系に積極的。
自然と向き合い感性を磨ける

窓からはドーンと大雪山が見え庭の餌台には鳥の姿が。すぐ近くにある豊かな自然は、仕事であるパラパラまんが作りにも影響を与えていると話します。町内には木工等の作家も多く暮らし、町がアート分野をバックアップしてくれていると感じています。


「そうきたか!」と思うような仕掛けが楽しい「パラパラまんが」を作る杉野さん夫婦。以前は京都や滋賀県に住んでいましたが、息子さんが小学校に上がる前に故郷の北海道へ戻ることに。場所はお互いの実家の中間地点となる旭川周辺でと考えていましたが、コーヒー好きで町内のカフェによく来ていた理奈さんのお父さんが東川町をすすめてくれました。当時杉野さん夫婦は東川のことは知りませんでしたが、実際に遊びに来てみると木工をはじめとする作家さんが大勢暮らしていることから自分たちも町になじみやすいのではと興味を持ったそう。ふるさと納税の返礼品として送られてきた本「東川スタイル」を読んでからは移住にはずみがつき、結局東川町以外は検討せずに移住を決めました。

自然から得たエッセンスが
おのずと作品にも反映

以前は「窓を開けると目の前が隣の家の壁」というような人口の多いエリアで暮らしていたので、東川では家があまり多くないエリアを選びました。息子さんの小学校入学にはギリギリ間に合い、小規模校での学校生活がスタート。町内には全部で4つの小学校があり、規模もそれぞれですが、「うちの子どもには少人数の学校が合っていたと思います」と理奈さんは言います。
新しく建てた家には大雪山の景色を切り取るように大きな窓が据えられ、庭には鳥の餌台が置かれています。「毎日自然と触れ合って、きちんと自然と向き合いながら感性を磨いていけるような環境なので、ここで得たエッセンスはおのずと作品に反映されると思います」。何より、行き詰まった時もパッとドアを開けるだけで気分を変えられるのがいい、と公亮さんは笑います。移住から1年経たずに町からコラボ企画が持ち込まれ、「ひがしかわパラパラブック」が誕生。ワークショップの開催も依頼されるなど「町が文化芸術系にエネルギッシュに取り組まれていて、本当にすばらしいと思います」。パラパラまんがは「突き詰めていくと次元を超えた動画のようなものを作れると思っています。研究のしがいがあります」と公亮さん。この環境でどんな作品が誕生するのか楽しみです。

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